葡萄って作るのに手間のかかる農作物だと思うんですよね。
私が作ったことのある果物や野菜の中では葡萄が一番手間かかります。
葡萄栽培の中でも一番大変なのが6~7月にやる「摘粒(てきりゅう)」という作業
やっていると、はてしなく続くかのように思えてくる「摘粒」をご紹介します。
摘粒とは? ⇒粒を摘む、つまり粒(実)を切って落とす作業のことです。
(ビフォーアフターの写真はこの記事後半にあります)
摘粒の詳しい説明の前に、、、、
葡萄って一房に何粒ぐらいついているか知ってますか?
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普通に売っている葡萄はだいたい30粒ぐらいです。
でもこの粒数ですが、すべて人間の手によって調整されています。
手を加えて30粒ぐらいに仕上げているんですよ!!(小粒の葡萄は除く)
手入れしないとあんなキレイな房にはならないんですね~。。。
↑
ビックリじゃないですか!?!?
葡萄って手入れしないと超膨大な天文学的な数の実をつけてしまう恐れがあります。
大量の粒を付けると美味しい葡萄にはならないので人の手によって30粒ぐらいに調整していたんですよね!
30粒にするためにまず、つぼみの段階で100粒以下に落とします。
これは手で割と簡単に出来る(と言っても何千房もやるので時間はかかります。)
それで花が咲いて実になるんですが、
咲いてもすべて実になるわけではなく、自然に落ちてしまうものも多いんですね。
それでも、残った実は50粒ぐらいはあります。(品種や作り方によって差が大きい)
ここから摘粒開始です。
この作業は農家の見せどころです。
キレイな房に仕上がるように、いらない粒をはハサミで落としていきます。
「いちいちそこまでやっているの?大変だね!?どうやって落とす粒を判断しているの?」
ってここまでこの文章を読んできたあなたは思ったかもしれません。
「はい、、、、大変です。超大変です」(←わたし)
とりあえず写真を見てください!
摘粒前↓
↑これで50粒ぐらいあります。
(これどうやって30粒にしていくんだよ・・・)
摘粒後↓
↑30粒になりました。
だいぶ空いたでしょ!!
葡萄はよく見ると、中心の軸から5ミリほどの棒が伸びてそこからさらに数粒に分かれています。この単位を段と言います。
この写真の房は15段ぐらいあるんですけど、
上段は3粒(たまに4粒)
中段は2粒(たまに3粒)
下段は1粒
って感じにしていきます。そうすればだいたい30粒になります。
だいたいこのぐらいの粒数になるように、
- 大きくなったらこの粒は邪魔だろうから落とす
- 変な方を向いているから落とす
- ここはすき間開いちゃったから残す
- 形が悪いから落とす
- 汚れているから落とす
って感じで、一粒一粒チェックしながら判断していきます。この記事タイトルにありますが、全粒検査です。
粒が大きくなりすぎると、ハサミが入らなくなって取れなくなってしまうので、迷っている暇はないです。
瞬時に判断してどんどん落としていきます。
この写真の粒は5ミリぐらいしかないので、大きくなったらこうなるだろうということを想像して行います。
職人技ですね
で、、最終的に30粒ぐらいまで落とすんですね。
この作業をひたすら行います。
やれる期間は短いので、休みなく行います。この時期は雨でもやりますね。
超頑張れば一日1000房ぐらい出来るかな?ってとこ
「正確」かつ「スピーディー」にやらないとキレイかつ美味しい葡萄にはなりません。
「摘粒」は葡萄栽培の中で一番時間がかかるところです。
写真見て想像できると思いますが、大変な作業なんですよ。
これを何千房とやらないといけないので、、、、。
でも楽しいともいえますね。
作品作るみたいな感じなので、自分がこの形に仕上げたって言える。
こういうのは葡萄ならではですね。
やる人によってでき上がりの形が違うわけですから。
多少のセンスも必要なのかもしれませ。。。。
楽しみつつ、朝から夕方までハサミを動かし続けています。
年間の葡萄作りの流れはこちらへ→葡萄が出来るまで